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「ベッドで寝ていいよ、俺はソファで寝るし」

一緒に寝たいのはやまやまなのだけれど「一緒に寝よう」とはさすがに言えないし、とりあえず先に寝かせてからほんのちょっとだけイタズラする作戦に決めた。

「いえ、私がソファで寝ますから」
やはり彼女は一旦断った。遠慮なんてせず早く寝てくれたらありがたい。
「いいから、いいから、子供がそんな気を使わないで。ソファじゃ寝苦しいって」
本当は一緒に寝たいでちゅ。心の中はそんなテンションだ。
「それなら余計にソファで寝かせられません」
「俺もお客さんにソファで寝かせられないよ」
「じゃあ一緒に寝ましょうよ」

そうそう一緒に寝ま・・・あれ?俺さっき思ってたことつい口に出してしまったのか?頭の中をそうよぎったがそれは杞憂だった。

「私そんなに寝相悪くないですし、2人でも十分ベッドで寝れると思いますけど」
そんなエロゲの様な提案をしてくる。確かに2人でも十分寝られるとは思うが。
「いや、それはマズイんじゃ・・・」
胸に答えは一つなのだけど一応思案するように呟いた。かなり悩んだ演技をして答えにたどり着くつもりだった。しかしその腹づもりも彼女の一言でする必要はなくなった。

「実は私1人で寝るのが怖いんです」
「え?」
演技でなく心からでた声だ。
「その・・・オバケとか」
やべー萌えた。萌えってこういうことを言うのかとしみじみ噛み締めた。心霊現象などは否定派だけども今だけはオバケはいてもいい。むしろオバケ万歳だ。

それじゃあ仕方ないと承諾し一緒に寝ることになった。しかも怖いからってあんた手まで繋いで寝てるんすよ。まさにパラダイス。本当に夢のようだ。

布団に入って約30分彼女はもう寝たのだろうか。最初は狸寝入りで体を触ったりキスしたりしようとか妄想していたのだけど、いざ横に少女の寝息と体温を感じるとそれどころではない。緊張のあまり何もできない。というよりも、ものすごくかわいい女の子が隣にいて、てのひら同士肌がくっついて、少し汗ばんでいて、あったかくて、もうなんというか
自分でも何が言いたいのか分からなくなってきているが、兎に角現状に満足なのだ。

幸せってこういうのなんだろう。今まで彼女というものがいたことがないのでしみじみと感じる。この子とは付き合うことなんてできない。敵わぬ恋とは分かっているから今日一日とそして今を心に焼き付けよう。明日この子を見送ったら普通の恋をしてみるのもいいかもしれない。こう見えても俺はもてたりする。少女趣味があるから今まで断ってはきたが。あっでも俺未成年者略取で捕まる可能性もあるのか。彼女は絶対言わないって言ってたけど。それならやっぱり思い出に襲っちゃう?いやでも今のままで満足だしー・・・

そんな思考が堂々巡りし、4回目の「幸せってこういうのなんだろう」辺りでそれは遮られた。

「うーん」
少女が寝返りを打ちこちらに体を向けた。

心臓が止まるかと思った。彼女の腕は抱きつくような形で俺の肩から胸に置かれ、さらに顔が俺の頭の数センチ横にある。そのせいで彼女の吐く息が首筋にかかる。体は動かさないものの興奮を越えてパニック状態だ。自分でもわかるほど鼓動が早くなっている。胸に置かれた彼女の腕にも伝わっていそうでさらにドキドキしてしまう。

ここでやらなければいつやるのだ。人生初めての接吻というものまであと数センチ。さらにはハイパーおっぱいタイムまで確変するかもしれない。さあ寝返りを打つふりをして体を傾けろ。いやしかし、迂闊に寝返りを打って彼女を起こしてしまっては元も子もない。どうすればいいんだ。葛藤しているうちにあまりにも長く感じる時間が経過する。実際には10分ほどかもしれないが。

諦めて寝ようかと考えていると、横で寝ている彼女が動く気配がした。今度は寝返りではなかった。俺の唇に何か柔らかいものが触れていた。
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この記事のコメント

昔友達の家に泊まりに行った時、↑みたいに、床で寝るからベッド使ってのやりとりを数分したあとじゃあ一緒に…となったのを思い出した。寝たふりして寝返りうってくっついたのも作戦。ジョニーと同じ脳でふいたwそしてその日の夕飯ハンバーグだった気がする。
2007-12-13 Thu 02:47 | URL | #-[ 編集]
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